
遺産分割
2025年08月04日
Q:祖母の相続における法定相続分について、行政書士の方に伺います。(豊田)
私は豊田で暮らす30代男性です。先日、遠方で暮らす父方の祖母が亡くなったとのことで、叔父から連絡を受けました。叔父曰く、祖母の実子である私の父が既に他界しているため、代襲相続ということで私と妹が父の代わりに相続人になるのだそうです。
父が亡くなったのは私がまだ子供のころで、父が他界したのを機に母の地元である豊田に越してきました。そのため、父方の親族とはほぼ疎遠の状態です。しかし、祖母の相続において代襲相続人である私と妹にも権利があるのだから、遺産分割にもしっかり参加するつもりでいます。
そこで、まずは私たちの法定相続分の割合がどの程度になるのか確認したいと思い、相談させていただきました。今回の相続人は、叔父、叔母、私、妹の4人です。(豊田)
A:法定相続分の割合は、相続順位と法定相続分についての定めにより確認できます。
民法では、法定相続人(遺産相続の権利を有する人)と相続順位、ならびに法定相続分(各法定相続人の取得する遺産の割合の目安)を定めています。
まずは法定相続人それぞれの相続順位と法定相続分に関する民法の定めを確認し、豊田のご相談者様のケースにおける法定相続分の割合を確認しましょう。
(1)法定相続人と相続順位
法定相続人の範囲と相続順位は以下のように定められています。
- 被相続人の配偶者は常に相続人
- 第一順位:子、孫…直系卑属
- 第二順位:父母、祖父母…直系尊属
- 第三順位:兄弟姉妹…傍系血族
まず、被相続人の配偶者は常に法定相続人です。第一順位に該当者が存在する場合、第二順位以下の該当者は法定相続人ではありません。第一順位の該当者が不在の時に、次点の第二順位の該当者が法定相続人となります。第二順位の該当者も不在の場合は、第三順位の該当者が法定相続人となります。
(2)法定相続分の割合
法定相続分についての定めは、民法第900条に記載があります。以下、民法より抜粋した内容です。
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一、子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二、配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は三分の一とする。
三、配偶者及び兄弟姉妹が数人あるときは、配偶者の相続分は四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四、子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
以上を踏まえ、豊田のご相談者様の法定相続分を考えていきます。
まず、御祖母様の相続において、叔父様、叔母様、豊田のご相談者様、妹様もすべて第一順位の法定相続人となります。
ただし、法定相続分については、豊田のご相談者様ならびに妹様は、元々の相続人である亡くなったお父様の割合を2人で分け合うことになります。したがって、以下のような計算となります。
- 叔父様:1/3
- 叔母様:1/3
- 豊田のご相談者様:1/3(亡くなったお父様の法定相続分)÷2人=1/6
- 豊田のご相談者様の妹様:1/3(亡くなったお父様の法定相続分)÷2人=1/6
なお、豊田のご相談者様の法定相続分についてご説明しましたが、法定相続分は遺産分割の際に目安となるものです。遺言書が残されていない相続では、協議したうえで相続人全員の合意を得ることができれば、自由な割合で遺産分割することが可能ですので、必ずしも法定相続分に従う必要はありません。
相続の花笑みでは、豊田にお住まいで相続に関するお悩みのある方に向けて、初回完全無料の相談会を実施しております。相続についての知識を経験を豊富に持つ専門家が、豊田の皆様の状況に合わせて適切にサポートさせていただきますので、豊田の皆様はぜひお気軽に相続の花笑みまでお問い合わせください。
2024年05月07日
Q:行政書士の先生、私の相続の際、前妻が相続人として財産を受け取ることは避けたいです。(豊田)
私は豊田在住の男性です。私の相続の際に誰が相続人になるのか知りたく、ご連絡いたしました。私は現在内縁の妻と共に豊田で暮らしています。子はおりません。10年ほど前に離婚した経験があり、前妻も豊田に住んでおります。前妻との間にも子はおりません。
前妻と離婚したきっかけは前妻の借金ですので、私の死後、私の財産を当てにしているのではないかと不安があります。行政書士の先生、私が亡くなった際に前妻が相続人となり、私の財産を受け取る可能性はありますか?できれば私の財産が前妻に渡るような事態は避けたいです。私の財産はすべて内縁の妻に渡したいと思っていますので、何か対応が必要であれば教えてください。
A:離婚した前妻が相続人となることはありませんのでご安心ください。
離婚した前妻の方には相続権がありませんので、ご相談者様の相続の際に相続人になることはありません。またお子様もいらっしゃらないため、前妻に関する人物にご相談者様の財産が相続されることはないでしょう。
民法では法定相続人(法的に相続権のある人)を以下のように定めています。
- 配偶者:常に相続人
- 第一順位:子(孫)…直系卑属
- 第二順位:父母(祖父母)…直系尊属
- 第三順位:兄弟姉妹…傍系血族
※配偶者は必ず法定相続人となります。そして第一順位の人が相続人となりますが、第一順位の該当者がいない場合は、第二順位の人が相続人となります。第二順位の該当者もいない場合は、第三順位の人が相続人となります。上位の順位に該当者がいる場合、それ以下の順位の人が相続人となることはありません。
上記にある「配偶者」は婚姻関係にある人ですので、現在豊田で同居されている内縁の奥様には相続権がないことになります。
もしも、ご相談者様の親族で第一順位~第三順位までのいずれかに該当する方がいらっしゃらない場合は、特別縁故者に対する相続財産分与の制度を利用して内縁の奥様が財産の一部を受け取れるかもしれません。この制度を利用する場合は、内縁の奥様が家庭裁判所へ申立てし、その申立てが認められてはじめて財産を受け取れるようになります。反対に言えば、申立てが認められない場合は財産を受け取れません。
このような事態にならないために、ご相談者様のほうで生前対策をしておきましょう。今回のようなケースで有効なのが遺言書の作成です。遺言書の中で内縁の奥様への遺贈を主張しておきましょう。その遺言書が法的に有効なものとするため、「公正証書遺言」という方法で遺言書を作成し、遺言書の中で「遺言執行者」を指定しておくと、遺言の実現がより確実なものとなります。
豊田にお住いの皆様、相続に関してご不安な点がありましたら相続の花笑みまでいつでもお問い合わせください。相続や遺言書に精通した経験豊富な行政書士が、豊田の皆様のお力になります。初回無料相談の場もご用意しておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。
2023年12月04日
Q:行政書士の先生、相続手続きには遺産分割協議書が必要だと聞いたのですが、どのような場面で使用するのですか?(豊田)
遺産分割協議書について行政書士の先生に質問です。私は豊田に住む40代男性です。先日豊田の病院に入院していた父が亡くなり、相続手続きを進めています。相続を経験したことのある親族のサポートを受けながら遺品整理や財産調査を進めているのですが、その親族から「相続財産の分け方が決まったら遺産分割協議書を作るように」と言われました。
相続財産は豊田の実家と預金が1,000万円ほどになると思います。相続人である母と私と弟の3人で分け合うことになりますが、私も弟も豊田の実家そばに住んでいますし、家族みんな普段から仲が良く信頼し合っているので、遺産分割は揉めずに終えれると思います。そのため遺産分割協議書をわざわざ作るまでもないのではないかと感じています。それに私も母も父の闘病を支えてきて疲れ切っているので、重要でない作業はできるだけ省きたいというのが正直なところです。
相続手続きを進めるうえでどうしても必要になるのであれば作成しようと思いますが、遺産分割協議書が必要になるのはどのような場面なのか教えていただけますか。(豊田)
A:相続手続きにおける遺産分割協議書の活用場面をご紹介いたします。今後の安心のためにも、遺産分割協議書は作成しておくことをおすすめいたします。
まずご確認いただきたいのですが、今回の相続で、亡くなったお父様は遺言書を遺されているでしょうか。もし遺言書が遺されているのであれば、遺産分割協議書を作成する必要はありません。
相続は原則として遺言内容が優先され、その内容に従って遺産を分割し相続手続きを進めます。それに対して遺言書が遺されていない場合は、相続財産をどのように分け合うかを相続人が決めなければなりません。相続財産をどのように分け合うか相続人全員参加のもと決定した内容を、書面にまとめ、相続人全員が署名捺印したものを「遺産分割協議書」といいます。この遺産分割協議書は、遺言書の遺されていない相続において、さまざまな場面で提出が求められます。
今回の豊田のご相談者様の場合、相続財産に豊田のご実家が含まれています。このご実家は亡くなったお父様の名義から相続した方の名義に変更する必要があります。これを相続登記といいますが、相続登記の申請の際は遺産分割協議書の提出が必要です。さらに相続税申告が必要となった際はその申告時にも提出しなければなりません。
そのほか、提出は必須ではありませんが金融機関の手続きの際にも遺産分割協議書は活用できます。亡くなったお父様名義の口座が複数ある場合、それぞれの手続きで所定の相続届に相続人全員がその都度署名捺印する必要がありますが、遺産分割協議書があればその都度署名捺印を集める必要がなくなります。遺産分割協議書があれば、その後の相続手続きの手間を省くのに役立つということです。
また、はじめに遺産分割についてきっちりと話し合い文章化しておくことにより、相続人全員がその遺産分割方法に合意したという証明になるため、後から言った言わないの争いの発生を防ぐ効果もあります。相続では多額の現金が動くため、相続人同士の意見が衝突してしまうケースも少なくありません。今後の安心のためにも、きちんと遺産分割協議を行ったうえで遺産分割協議書を作成しておくことをおすすめいたします。
相続の花笑みでは豊田エリアの相続手続きをサポートしております。相続手続きの面倒な作業は相続の花笑みの行政書士が代行いたしますので、豊田の皆様は相続の花笑みの初回無料相談をぜひご利用ください。豊田の皆様のお話を伺ったうえで、相続の花笑みが提供できるサービス内容と料金体系を丁寧にご案内させていただきます。
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